つむじはげとは頭頂部の薄毛が進行している状態を指しており、「頭頂部はげ」「てっぺんはげ」などとも呼ばれています。
つむじはげはAGA・薄毛の代表的な症状のため、「最近つむじが薄くなってきた」「頭頂部の薄毛を周囲から指摘されてしまった」などとお悩みの男性もいるのではないでしょうか。
当記事では、つむじはげ(頭頂部薄毛)の主な原因とされるAGAのメカニズムや、つむじはげがAGAかどうかの見分け方・基準と対策を詳しく解説していきます。
頭頂部周辺の薄毛が進行していく「つむじはげ」と呼ばれる症状は、基本的にはAGA(男性型脱毛症)の一種であると考えられています。
まず最初に、つむじはげの主な原因である「AGA(男性型脱毛症)」のメカニズムと、AGA以外に考えられる生活習慣などの原因について解説していきます。
AGAとは「Androgenetic Alopecia」の略称であり、男性型脱毛症のことを表しています。
AGAは、頭皮に分布した還元酵素の「5αリダクターゼ」が体内に存在する男性ホルモンの「テストステロン」を変換させることで生み出される、「DHT(ジヒドロテストステロン)」が原因物質となっています。
DHTが男性ホルモン受容体の「アンドロゲンレセプター」と結合すると、脱毛因子の「TGF-β」が増加してしまうため、毛母細胞の増殖が抑制された結果としてヘアサイクルが乱され、十分に毛髪が生成・成長せずに抜け毛や薄毛などの症状に繋がります。
原因物質を生み出す働きを持つ5αリダクターゼにはⅠ型とⅡ型が存在し、よりAGAに関わりが深い「5αリダクターゼⅡ型」は頭頂部と前頭部に集中して分布しているため、該当部位であるつむじや生え際は特にAGAの影響を受けやすいのです。
更に、AGA(男性型脱毛症)は進行性の疾患です。何も対処しないまま放っておくとどんどん脱毛症が進行して行き、年々毛量が減少してしまう可能性が高いです。
進行度が高ければ高いほどAGAを改善するために時間や治療費用がかかってしまうので、抜け毛・薄毛が気になってきた場合には早期対策をすることが大事になります。
つむじはげの原因として、AGA以外で考えられるのは「生活習慣の乱れ」「過度なストレス」「紫外線による日焼け」「誤ったヘアケア」「頭皮の血行不良」などです。
睡眠・運動不足や栄養バランスの偏りなどの生活習慣の悪化やストレスによって、自律神経やホルモンバランスが乱れてしまい、薄毛が進行することによるつむじはげに繋がります。
また、紫外線による頭皮・毛髪へのダメージや、シャンプー等のヘアケア方法の誤りによる負担などの外的要因も、抜け毛を増加させる原因となり得ます。
これらの生活環境や外的要因のみでつむじはげが引き起こされることもありますが、場合によってはAGAと併せて影響していることも考えられるため、いずれにせよ抜け毛・薄毛に繋がりそうな生活習慣の改善などの対策を行うことは必要不可欠になります。
つむじ・頭頂部の薄毛が気になり始めたとしても、AGAの一種であるつむじはげ(頭頂部薄毛)と判断できるかどうかは頭皮・頭髪の症状や進行度によって異なります。
そこで、つむじはげ・AGAに当てはまるかどうかを簡単に見分ける基準となる、4つのチェックポイントをご紹介していきます。自分のつむじが正常な状態かつむじはげの状態か、実際に診断してみましょう。
つむじはげかどうかは鏡に映して診断することも可能ですが、しっかりと確認したい場合にはつむじ部分を撮影して写真にて詳細までチェックしてみましょう。また、一定期間ごとに撮影して写真を残しておくことで、進行の経過を確認することもできるのでおすすめです。
あなたのつむじ・頭頂部の薄毛はAGA?つむじはげの見分け方
つむじはげ(頭頂部薄毛)・AGAかどうかを見分ける1つ目の基準は、頭頂部周辺の地肌が見えるかどうかです。
つむじはげやAGAを疑うキッカケは「つむじ部分の薄毛が気になり始めた」という理由の方がほとんどだと思うので、一番チェックしやすい見分け方ではないでしょうか。
つむじの中心部分の地肌が見えるのは正常な状態ですが、中心だけでなく周辺の地肌まで透けて見えてしまっている場合には、つむじはげやAGAの可能性が高いです。
また、上から見た時ではなく、正面から見た時に頭頂部の地肌の透けや薄毛が気になる場合には、AGAが比較的進行している状態だと判断して良さそうです。
つむじはげ(頭頂部薄毛)・AGAかどうかを見分ける2つ目の基準は、頭頂部の地肌の色です。
正常な頭皮は白色・肌色をしていますが、地肌が赤みがかっている場合や茶色っぽい場合にはつむじはげやAGAの可能性が高いです。
つむじ部分の地肌が赤くなっているのは、頭皮の乾燥や炎症などが起こっており、頭皮環境が悪化している証拠です。皮脂が原因で菌が繁殖している、肌の乾燥によって肌のバリアが壊れているなど、様々なケースが考えられます。
また、つむじ部分の地肌が茶色っぽくなっているのは、紫外線の影響を受けて頭皮が日焼けし、そのダメージによって乾燥や炎症が引き起こされているということが懸念されます。
このように、頭頂部の地肌の色が正常でない場合には、AGAかどうか以前に何かしらの頭皮の疾患や頭皮トラブルなどが薄毛の原因となっているケースも多いです。
頭皮の赤みのほかに、フケやかゆみなどの症状が見られる場合には「脂漏性皮膚炎」なども考えられます。薄毛に直結する疾患ではありませんが、かゆみによって頭皮を掻くことで毛が抜けてしまうこともあるので注意してください。
つむじの地肌の色が正常ではないと判断される場合には、まずは頭皮を清潔にするように心掛け、それでも改善されなければ一度クリニックや皮膚科を受診してみるのがおすすめです。
つむじはげ(頭頂部薄毛)・AGAかどうかを見分ける3つ目の基準は、頭頂部周辺の毛髪の太さや長さです。
AGAは頭頂部のつむじや額の生え際から進行していくので、毛が抜けやすくなる、毛髪が十分に成長せずに細く短くなる、などのAGAの代表的な症状はつむじ周辺から見られるようになるケースも多いです。
正常なつむじであれば他の部分と毛髪の太さや長さは同じなはずなので、AGAの影響を受けにくい側頭部や後頭部の毛と比較して細さや短さが気になるなら、AGAが進行してつむじはげの状態になっていると考えられます。
つむじ周辺の毛が弱って細く・短くなってしまうと頭頂部のボリュームがなくなってしまうため、正面から見た際にも髪の薄さを感じやすいでしょう。
つむじはげ(頭頂部薄毛)・AGAかどうかを見分ける4つ目の基準は、頭頂部周辺の毛の流れの状態です。
正常なつむじの状態だと、つむじ部分の毛の流れがはっきりしている場合が多く、大抵は左右どちらかに渦を巻いています。
つむじはげと呼ばれる状態になると毛量が少なくなる上に、3つ目のチェックポイントでも解説したように1本1本の毛髪自体が細く・短くなるため、渦を巻きにくくなり直線状に流れるようになってしまいます。
ただし、生まれつきつむじの渦巻きが目立たないという人もいるので、そういった方は現在の状態だけでなく、過去からどう変化したかどうかにも着目してみましょう。
以前よりもつむじが渦巻いていない、毛の流れが分かりにくくなったという方は、AGAによるつむじはげの疑いが強いです。
つむじはげ(頭頂部薄毛)やAGAを自己判断する見分け方・基準をご紹介しましたが、しっかりと自身の症状や薄毛の進行度を把握した上でつむじはげを改善したいなら一度医師による診察を受けてみるといいでしょう。
軽度のつむじはげ(頭頂部薄毛)とは、先程ご紹介したつむじはげ・AGAの判断基準に当て嵌まらず、抜け毛等も少なく正常な状態に近い状態です。
このような軽度のつむじはげの場合には、改善よりも予防が主となるため、手軽に始められる下記のような対策を取り入れてみるのがおすすめです。
軽度のつむじはげ(頭頂部薄毛)におすすめの対策方法
頭頂部の薄毛がAGAによるものだと判断されない程の軽度の場合は、生活習慣やストレスなどが原因として考えられるため、まずは食生活や睡眠・運動不足の改善から始めるようにしましょう。
栄養バランスが偏っていたり、睡眠が過度に不足していたりすると、毛髪の成長のために必要な栄養素や成長ホルモンなどが行き渡らなくなり、髪の毛が十分に成長しなくなってしまいます。
タンパク質などの栄養素を意識的に摂る、最低6時間以上は睡眠を確保する、などと生活を改善していくことが重要です。
加えて、脱毛物質を増加させる作用を持つ「アセトアルデヒド」を生成させてしまう飲酒や、血行悪化に繋がる喫煙なども薄毛の原因となり得るので、禁煙およびたばこの本数を減らしたり、アルコール摂取を適量で収めるように心掛けたりと、改善を試みるようにすると良いでしょう。
また、間違った洗髪方法や自分に合っていないシャンプーの使用などが頭皮や毛髪に影響を及ぼしている可能性もあるので、日頃のヘアケアを見直してみるのも一つの手です。加えて、頭頂部は血行不良になりやすい部分でもあるので、血行促進にも繋がる頭皮マッサージを行うのも薄毛対策になります。
これらのセルフケアを試した上でもつむじ周辺の毛髪の状態に変化が見られず、AGA治療を行うにはまだ抵抗があるという場合には、医薬部外品である育毛剤の使用から始めてみるのもおすすめです。
育毛剤を使用しても、毛のなくなってしまった箇所に新たに発毛させるなどの明確な変化は得られませんが、育毛剤に配合されている成分によって頭皮環境を整える効果や毛髪にハリやコシを与える効果などは期待できます。
今後のつむじはげの進行予防のための対策を行うのであれば、育毛剤でのケアを習慣化しておくのも効果的でしょう。
進行しているつむじはげ(頭頂部薄毛)とは、前項でご紹介したつむじはげ・AGAの見分け方に該当するチェックポイントがあり、つむじ部分の抜け毛やボリュームのなさなどが気になっている状態です。
また、「そこまで薄毛の症状が酷い訳ではないので軽度の対策と迷ってしまう・・・」という方は、前もってこちらの進行したつむじはげの対策を参考にすることを推奨します。
つむじはげの原因とされるAGAは進行性の疾患で、放っておくと症状がどんどん悪化していくため、なるべく早期からAGA対策をしておくことでスムーズに抜け毛や薄毛を予防・改善しやすいでしょう。
それでは、つむじはげや頭頂部の薄毛が気になっている方におすすめの対策は以下の通りです。
進行しているつむじはげ(頭頂部薄毛)におすすめの対策方法
つむじはげの原因の項目でもお話ししましたが、つむじ・頭頂部の薄毛が気になり始めた場合、AGAが原因で薄毛の症状が現れていることがほとんどです。
そのため、つむじはげや頭頂部薄毛を改善するためには、基本的にはAGAクリニックでのAGA治療を受ける必要があります。
一概にAGA治療とはいっても、内服薬や外用薬を使用する投薬治療や、頭皮に薬剤を直接注入する注入治療、自毛を採取して薄くなった部分に移植する自毛植毛など、様々なAGA治療法の中から選択することが可能です。
AGA治療を専門的に行っているクリニックでは治療薬や治療法が豊富に用意されていることが多く、抜け毛を抑えて薄毛を予防したい、新たに毛髪を生えさせたいなど、希望する治療効果に合った治療法・治療プランを提案してもらえるので、各々の症状や進行度に適した治療を行えるのも特徴です。
また、AGA治療にも用いる有効成分が配合された「発毛剤」はAGAクリニックだけでなく市販で購入することも可能ですが、第一類医薬品に指定されているため購入の際には薬剤師の説明を受ける必要があります。
薬局などで購入した場合、副作用等の症状が見られても自己責任となってしまうため、不安のある方や肌の弱い方などはなるべく医師の診察を受けてから使い始めるようにするのが望ましいです。
AGAクリニックでは医師が問診をし、診察した上でAGA治療を開始しますし、中には治療薬が身体に合わなかった場合には治療費用を返金してもらえる保証制度が用意されているクリニックも存在するので、健康面に配慮してつむじはげ対策を行えるのもAGAクリニックを受診する利点と言えるでしょう。